独身の頃、「こどもがかわいい!」なんて吐くやつは宇宙人だと思ってた。
異性に良く思われたいためだけなんだ。とんだ下心スケスケビッ○野郎だ、と。
かつて、犬とすれ違いざま、軽く握った両手をアゴに添え、頬を赤らめ瞳を潤ませ「かぁわいい♡ねーみてみて、わんちゃん超かわいい♡」と男に向かって言うと教えてくれた人がいた。理由は、男にかわいいと思われたいからだと。そんな人間が二次元以外に存在してるんだと衝撃を受けたと同時に、私に腹の内をさらけ出しちゃううっかりさんにときめいてしまった。なんてオープンなんでしょう。クイーンオブ不用心だね。迂闊だね。私がスピーカーおばさんだったらどうするんだい。どうなるかわからないからびびって今まで言わなかったけどさ。さすがにもう時効だよね。いいよね!(自己暗示)。
しかし、これはどうにもこうにも私にはできない。男にかわいいと思われたい女、通称【OKO】のための教科書1ページ目に書かれている初歩且つ王道と言っていいだろう。クイーンは教科書通りの模範生だよ。仮に私が教科書通りに実行したら、私のメンタルちゃんが奥歯ガタガタいわせて脊椎から逃げ出そうとするだろう。相手にも、「あ、こいつ俺に気に入られたくて言ってるわ」と思われてるかもしれないと思うだけで、もはや正気ではいられない。いっそ目の前の犬が「だからお前はモテないんだよ!」と罵ってくれないかと切望してしまう。なんなら飼い主でもいい。もしくはもう踏んでくれてもいい(笑)!噛まれるのはやだけど。それくらいできない。私、猫派だし(知らねーよ)
かわいいの教科書通りにする度胸もないし、それを相手に見透かされるなんて耐えられない。彼女はやっぱりクイーンオブ【OKO】なのだ。目的の為なら手段を選ばない。元気にしてるかなぁ…。
そして今、私はブーメランに怯えている。
実際、ブーメラン投げてちゃんと返ってきたことなんて一度もないけどね!
児童館にやってくる0歳児くんが2人いる。いや、いらっしゃる。コロナの影響で通常より遅れて幼児クラスが始まったのだが、その頃はまだ首も座ってないような状態だった。もちろん彼らは、常に抱っこされている。お兄様やお姉様がクラスに参加するために仕方なく付き合っているだけだ。なんて広い御心なんでしょう。
夏頃になるとハヤシくん(仮)は早くも足の伸縮だけで部屋中を遊覧なさるほどに成長しあそばれた(乱用)。寝返りもまだなのに(素敵)!!のんびりくん(仮)はだっこひもから白くむちむちのおみあしをチラ見させてくる焦らしっぷり。これは、吸いつきたい。撫で回したい。我が腕の中でミニユニバース(ご身体)を感じたい!あわよくば目があって微笑を頂きたい(錯乱)!!!凄まじい引力に逆らいつつ眺めるしかできないのだ。仮にコロナじゃなくてもね!変態認定されたら、もう児童館出禁になっちゃうからね!前代未聞だよ!児童館出禁の母親なんて!(笑)
おすわり、つかまりだち、はいはい、後追い…我が子で見たはずなのにどうして新鮮にみえるんでしょう。生えかけの白く小さい前歯を見つめて、ため息まじりに言ってしまっているのだ。かわいい…語彙力ないから言ってしまうのだ、かわいい…。
もう私の後頭部にはブーメランがばっちりぶっ刺さっていることだろう。それでもいいから、時々お会いできるくらいの距離にいたい。