まるえのふんふん帳

子育てとカメラと時々キャンプ

HPの減らし方

 日の出と共にやつらは目覚める。規則正しい健康的なモンスターだ。起き抜けに遊び始める。こっちはゆっくり寝過ごしたいのだ。起きたくなるまで寝ていたいのだ。しかし、モンスターは空気を読まない。なんならわざわざ近くでギャーギャー喧嘩を始める。モンスターとのいちにちが始まる。

 

 あさごはんを食べている時は静かだなんてことはない。足が当たっただの、ベーと言った言わないだの、騒がしい。遊んでいて食べるのが遅くなったくせに、最後の1人になると泣き出す。意味がわからない。そして学ばない。きっと私の知らない間に、モンスター上級講座でも受けているのだ。「親を困らせる言動100」なる参考書でも隠し持っているのだろう。エリートモンスターまっしぐらだ。

 

 モンスターどもには隠しているが、私のHPの最大容量はせいぜい7080だ。しかし、やつらはおそらく1000くらいある。なんなら伸び代まである。正攻法で勝てやしない。奴らにはない知恵を駆使して倒すしかないのだ。

 

 曜日なんて関係なしに家事はある。邪魔されないように人形やおもちゃで釣って気を逸らし、最低限の家事をやっつける。そうこうしているうちにモンスターはうずうすしだす。暴れるすんでのところで公園に向かう。そこでHPを解放させるのだ。バーサーカーでもスーパーサイヤ人でもなんにでもなればいい。きゃっきゃ言いながら走っている。ただ走っているだけで楽しいらしい。意味がわからない。そして何もないところで転んで泣いてくる。君らは何がしたいんだ。大したケガでもないのに絆創膏を欲しがる。貼るとまた走り出す。しまった、これは所謂「やくそう」の類だったのだ!どうりで欲しがるわけだ。貼ったら貼ったでまた遊び出す。ああ、雲が薄い

 

 いい感じにHPが減ってきたあたりで帰宅を促すも当然拒否。こちらにおんぶや抱っこで帰る余裕はない。この後を考えると出来るだけセーブしておきたいのだ。なので、帰路のHP残量も考慮して提案しているのだが、モンスターにしてみればまだまだ有り余っているのだ。帰るわけがない。「先を見通すスキル」は未修得なのだ。大人に都合のいいアイテムってないものだね。仕方なく、「おやつ」をチラつかせる。それも毎回同じではいけない。その時々のブームを抑えてプレゼンしなければならない。ある時はキャラもののお菓子、またあるときは団子。傾向も対策もない。「◯◯おいしそー」とか「××ほしい!」を拾ってメモしておくしかない。調教師の気分だ。

 

 なんとか家に着き、おやつをすますとまた動き出す。回復早くない?同じの食べてもそんなに動けないよ?自分もかつてそうだったなんて信じられないよ。しかし、うちは賃貸。そうそうバタバタさせられない。そこでこいつのお出ましだ。

 

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こどもひとり分にちょうどいいサイズ感

 

 なんの変哲もないトランポリン。ただ飛ぶだけのトランポリン。これがなかなかいい仕事してくれるのだ。ただ、置いておくだけでもいい。勝手に跳んでくれる。飽きてきたら、テレビのYouTubeであらかじめ作っておいた体操のプレイリストを再生する。子ども向けもといモンスター向けの体操動画はたくさんある。好みもあるのでその辺聴取しながら厳選し作成。それぞれの好きなキャラクターのダンス動画だとお互いトランポリンの譲り合いまでしているのだ!なんたる奇跡!ほかでもやってくれよ!そしたらけんかの90%はなくなるよ!()そして、何がいいって、意外と静かなのだ。ドタバタさせたくないのでこれはとても助かる。大人しくしろって不可能だからね。モンスターやめろと同義だからね。天候に関係なくモンスターだからね。雨で外に出られない時でも使えるって素敵通り越して無敵だね。ただひとつ難点を挙げるなら、場所を取る。うちはせまいので使わない時は隅っこの壁に立てかけてるがそれでもそこそこ場所を取る。けどこれ以外に難点は思いつかない。数あるモンスター対策アイテムの中で上位に入る名品だ。

 

 そんなトランポリンを充てがってる隙に、洗濯もの回収して夕飯を拵えて風呂にぶち込んで夕飯すまして寝かしつけまで勢いでやりきってモンスターとの戦いが終わりを迎える。自分の時間なんて言ってられない。もうこちらも動けないし頭も回らない。ほんと、寝顔がかわいいだけ。