娘6才、息子3才。
毛が散らかるし、じっとしないし、上手にカット出来ないしということで、こどもの散髪は美容室へ行っている。椅子がどうぶつの乗り物風だったり、DVD試聴出来たりと、こども向けのサービスが充実しているところだ。
とはいえ、後半にもなると集中力もきれてゴソゴソ動き出す。スマートフォンやらおかしやらでなんとか釣ろうとするも、効果は持続しない。そんなタイミングで、
私「じゃあ、10数えて。そしたら、きっと終わってるよ」
息子「じゅう！」
そういえば、まだ10まで数えられなかった…
一方、娘は美容師のおねえさんと楽しそうにおしゃべりしている。よく聞いてみると助詞がむちゃくちゃで、『ソニック』や『エミー』など、おおよそおねえさんが知らないであろう情報をガンガン投げているのに、おねえさんは上手に拾って返している。おねえさんの名キャッチャーぶりよ。あれだね、あの有名な野球選手だね（知らない(笑)）
カットの手際もよく、10分前後くらい（たぶん）で終了。こども散髪エリアには鏡はないので、仕上がりを二つ折りの大きな鏡で見せてくれた。するとどうやら思ったより前髪が短かすぎたようで、一気に娘の顔が曇った。わかりやすいやつめ。おねえさんは、私の注文通りにしてくれたので、なにひとつ不備はない。あるのは、私の好みと娘の期待のズレだ。もうどんなに褒めちぎっても心に響かない。その頑なさはもはやエルサだ。カッチコチだ。私が神田沙也加さん並に歌が上手ければ、話くらい聞いてくれたかもしれない。しかし、歌の上手い、必死に説得してくれる妹もいない。いるのは、10数えられない弟だけだ。仮に、弟が姉を励ましたって、火に油だからね、負の倍返しだからね、ねーちゃんってそんなもんだよね（偏見）
連行される容疑者よろしく、上着のフードを目深に退店した。エレベータの鏡に気が行かないように話を振りつつ、ハッピーなセットを販売しているお店までなんとか誘導。店前に展示してるおまけのおもちゃでパッと前髪は忘れて、彼女の頭は青い猫型ロボットでいっぱいになった。現金なやつめ。そこが貴女のいいところですよ！よ！切り替え名人！
切り替えがへたな私からすれば、なんとも羨ましい性質だ。
